2026年6月30日火曜日

医師が自分では受けない「問題のある治療」を患者に勧める姿勢の問題点

がん治療の世界では、標準治療として化学療法や放射線療法が広く推奨されています。しかし、医師自身が同じ治療を自分や家族に受けさせるかどうかを問うと、驚くべきデータが浮かび上がります。ある調査では、医師の88.3%が自分自身の癌治療で化学療法を拒否するだろうと明らかになりました。肺がんを扱うカナダのオンコロジストを対象とした調査(MacKillopら)では、化学療法を自身で受けたいと思う医師はわずか16%程度でした。ボストンの教育オンコロジストを対象とした調査(Lindら)でも、27%に留まっています。

これらの医師たちは、患者に対しては「標準治療」として化学療法や放射線を強く推奨します。一方で、化学療法の細胞傷害性薬剤が成人悪性腫瘍の5年生存率に寄与する割合は、米国で2.1%、オーストラリアで2.3%と推定されています(Morgan et al., 2004)。この数字は、がん全体の生存率向上の多くが手術など他の要因によるものであり、化学療法単独または主軸とした場合の限界を示唆しています。それにもかかわらず、多くのオンコロジストは患者にこれを「唯一の承認された治療」として提示し続けています。

がん治療が巨大な産業であるという指摘もあります。化学療法や放射線による生涯にわたる治療の方が、自然な介入や生活習慣の改善よりも経済的利益を生みやすい構造があるという声です。化学療法や放射線は、実際には免疫細胞であるナチュラルキラー(NK)細胞を殺傷してしまうため、がんの再発リスクを高める可能性も指摘されています。

一方で、がんを代謝疾患として捉えるアプローチが注目されています。Otto Warburgの研究に基づき、がん細胞はグルコースに強く依存し、ケトン体をエネルギー源として利用しにくい性質があります。この特性を利用し、炭水化物制限や断食によって血中グルコースを下げ、ケトン体を増加させることで、がん細胞をエネルギー源から切り離しつつ、正常細胞には代替エネルギーを供給する方法が研究されています。グルコース-ケトン指数(GKI)を低く保つことで、NK細胞やT細胞などの免疫機能が強化され、がんを攻撃する力が向上するとの知見もあります。

関連する専門家の議論では、Thomas Seyfried博士が代謝療法の可能性を強調し、イベルメクチンや断食を組み合わせたプロトコルを選択する姿勢を示しています。動画では、ケトジェニックダイエットが特定の薬剤の治療効果を高める研究例(例: 小児膠芽腫モデルでのメベンダゾールなどとの併用)が紹介され、がん細胞の代謝的柔軟性の低さを活かした戦略が語られています。

こうした事実を踏まえると、自分や大切な人には受け入れない「問題のある治療」を、患者には標準として強く勧める医師の姿勢は、深刻な倫理的問題を抱えています。患者は十分な情報に基づく同意(インフォームドコンセント)を得る権利があり、医師は自身の価値観や科学的理解に沿った透明性のある選択を支援すべきです。二重基準は医療への信頼を損ない、患者の自己決定権を侵害する可能性があります。

標準治療の進歩を否定するものではありませんが、個別化されたアプローチや代謝・免疫を重視した補完的な研究をさらに進め、患者中心の真に効果的で負担の少ない治療を実現することが求められます。がんに直面したとき、医師が「自分ならどうするか」を真剣に考え、患者と対等に話し合う姿勢こそが、本来の医療の姿ではないでしょうか。

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