参議院決算委員会で、立憲民主党の古賀千景参院議員(元教員)が、防衛白書に関する質疑の中で次のように発言した。
「私も教えた子がいっぱい自衛隊にいるんです。いっぱい苦しんでますよ。でも、分かってほしいのは、自衛隊に行く子どもたちって、経済的に厳しい子どもたちが行くんですよ。豊かな子どもたちは自衛隊とかなりませんよ。すいません失礼しました、訂正します。」
直後に撤回・謝罪したものの、小泉進次郎防衛相は強く反論。「自衛官の子どもたちへの配慮に欠ける発言だったのではないか」「自衛官の子どもたちは貧しい家庭の子しかいないと言われたが、まったくそんなことはない。それは事実誤認だと思います」と切り返した。
この一連のやり取りを報じる記事や映像を見た私の率直な感想は、「私には、与野党合同の茶番劇にしかみえない」というものだ。与党の小泉防衛相が「事実誤認」と憤る姿も、野党議員が即座に撤回して陳謝する姿も、すべてが予定調和の政治ショーに過ぎない。
そもそも自民党は、何十年もかけて国民の生活を貧しくし、雇用を不安定にし、教育費や生活費を押し上げ、格差を拡大させてきた。その結果、金を積めば喜んで自ら志願して戦場に出るような土壌を、着実に築き上げてきたのではないか。安定した収入や住居、福利厚生を餌に、経済的に追い詰められた若者を自衛隊に集める構造こそが、まさに「経済的徴兵制」の日本版ではないか。
古賀議員の発言が不適切だったかどうかはさておき、背景にある若者の進路と経済格差の問題を、与野党が本気で議論する気など最初からなかったのだろう。茶番を演じ、世論の目を逸らし、結局は自衛隊を「貧困対策」の一手段として利用し続ける——それがこの国の政治の現実だ。
国民はこうしたパフォーマンスに騙されてはならない。真の安全保障とは、国民生活を豊かにし、誰もが誇りを持って国を守れる社会を築くことのはずだ。与野党が演じるこの茶番が続く限り、日本の本当の課題は解決しない。