朝の散歩に近所を歩いていると、近内川が草であふれかえっているのを目にしました。その生命力に圧倒され、こんな声も聞こえてくるようでした。
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「親指姫!奴らはそこにいるぞ!この川の支配者、巨大ナマズ王を倒す時が来た!」と、一寸法師は腰に差した針の刀を抜き、川に向かって叫びました。彼らにとっては、その草むらと川が、とんでもない「リバー・ジャングル・アドベンチャーパーク」に見えていたのです。親指姫は、彼のぶっ飛んだセリフに吹き出しそうになりながらも、その小さな手をぎゅっと握りしめました。
彼らが「リバー・ジャングル」の奥へと進んでいくと、目の前には巨大な木々が立ちはだかりました。それは、彼らの背丈をはるかに超える「ススキの要塞」でした。
「これは手ごわそうだ…しかし、我らの行く手を阻むことはできない!」と一寸法師は叫び、針の刀でススキの茎を斬りまくります。親指姫は、そのしなやかな茎を綱のように掴み、まるでターザンのように軽々と飛び越えていきました。途中、一寸法師が足を滑らせて泥まみれになり、「これはワニの罠だ!くそっ、見事に引っかかった!」と叫ぶと、親指姫は「ただの泥よ、一寸法師」と冷静に突っ込みました。
さらに奥へ進むと、彼らは「巨大な洞窟」を発見しました。それは、川岸に打ち上げられた、使い古された瓦のひび割れでした。しかし、彼らにとっては、巨大ナマズ王の隠れ家に見えたのです。
「ここだ!奴の臭いがするぞ!」と、一寸法師は鼻をヒクヒクさせながら言いました。親指姫は、少しだけ怖くなりましたが、一寸法師の勢いに押されて、勇気を振り絞りました。二人は、そっと洞窟の中へと足を踏み入れます。中には、薄暗い空間が広がっていました。そこには、小さなカニがひっくり返っており、二人はそれを「ナマズ王の手下だ!倒すぞ!」と叫び、カニをひっくり返して助けてあげました。カニは泡を吹きながら、小さくハサミを振って感謝の意を表しているようでした。
冒険の途中、彼らは喉が渇きました。そんな時、一寸法師が見つけたのは、キラキラと輝く「泉」でした。それは、大きな蓮の葉の上に溜まった雨水でした。
一寸法師は、針の刀で雨水をすくい上げ、親指姫と一緒に喉を潤しました。「この水は…!ナマズ王が秘蔵する奇跡の聖水に違いない!」と、一寸法師は目を輝かせました。親指姫は、「ただの雨水よ」と呆れながらも、美味しそうに水を飲みました。
その時、突然、巨大な影が彼らの頭上を覆いました。それは、巨大なアメンボでした。一寸法師は、「来たか!ナマズ王の最終兵器、空飛ぶ巨大グモだ!」と叫び、針の刀を構えました。しかし、アメンボはただ、水面をスイスイと滑っていくだけでした。親指姫は、「ただのアメンボよ」とまたまた突っ込みました。
陽が傾き始め、リバー・ジャングルの空がオレンジ色に染まり始めました。二人は、そろそろ家に帰ることにしました。
「今日の戦いも、我らの勝利だったな!」と、一寸法師は満足げに言いました。「ナマズ王は、きっと我々の勇気に恐れをなして逃げ出したに違いない!」親指姫も、笑顔で頷きました。彼らにとって、この草が生い茂る川辺は、いつも新しい発見と、一寸法師のぶっ飛んだ想像力に満ちた、最高のアドベンチャーパークでした。
彼らの冒険はつづく。
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