2026年6月30日火曜日

食品を「工業建材」や「科学実験」のように扱うことの危うさ ~マクドナルドのアップルパイをめぐる添加物製造の現実~

 人間の口に入る食べ物は、本来、自然の恵みや丁寧な調理によって作られるべきものです。しかし、現代の食品産業では、まるでコンクリートや金属の建材を工場で大量生産するかのように、化学薬品を大量に使い、科学実験室さながらの工程で成分を抽出・加工しています。このようなアプローチには、根本的な問題があるのではないでしょうか。

ある議論で注目されたのは、マクドナルドが建国250周年を記念して復活させた期間限定のフライドアップルパイです。アツアツのリンゴが入った揚げパイが1992年以来の復活として話題になる一方で、「このパイには約30種類もの原材料が使われていて、その多くが有害物質と指摘されている」との指摘があります。特に生地改良剤として使われる「L-システイン」について、「豚の毛、人間の髪、そして鶏の羽です」と具体的に挙げられ、菜食主義者団体がマクドナルドに問い合わせた結果、米国では動物由来(人間の髪を含む可能性)が確認された一方、英国では2018年以降使用をやめているという情報が共有されています。

このL-システインの実際の製造工程を見ると、食品というより工業製品や実験試薬を作っているかのような過酷さが浮き彫りになります。伝統的な方法では、原料となる髪や羽毛を洗浄した後、濃塩酸で長時間(数日間)高温加熱してタンパク質を分解します。活性炭処理や中和でシスチンを抽出し、電解還元や化学還元でL-システインに変換。最後に脱色・濃縮・結晶化して精製します。大量の強酸を使い、廃液処理や臭気の問題も伴う工程は、建材の表面処理や実験室での有機合成に近いものです。現代の発酵法でも、遺伝子組み換え微生物を培養し、厳密にpHや酸素濃度を制御する科学的な管理が不可欠です。

これらが「人間の口に入る食べ物」の一部として、日常的にパンやパイの生地に少量添加されている現実を考えると、違和感を覚えざるを得ません。食品は私たちの体を構成し、健康に直結するものです。それを「工業的に効率化」し、「科学的に最適化」する名目で、過酷な化学処理を施すことは、食の本来のあり方を歪めているように思えます。透明性の低さや、消費者への十分な情報提供の欠如も、この問題をさらに深刻にしています。

食べ物は、ただ「おいしく」「安く」「長持ちする」だけでなく、「どのように作られたか」を大切にすべきです。こうした工業的・実験的な製造工程に疑問を持ち、成分表示をしっかり確認し、必要に応じて企業に直接問い合わせる姿勢が、今こそ求められているのではないでしょうか。自然に近い食生活を選ぶ一歩が、未来の食の安全を守る鍵になるはずです。

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