
アメリカ心臓協会(AHA)とアメリカ心臓学会(ACC)は、高血圧の基準を再び引き下げ、何百万人ものアメリカ人が新たに高血圧と診断され、血圧薬の服用を余儀なくされる可能性が出てきました。
基準値の劇的な変化
血圧の「正常」値は、過去数十年間で劇的に変化しています。
1970年:「正常な」血圧は160/95。
1985年:「正常な」血圧は140/90。
そして現在、120/80でさえ「高め」と見なされています。
そして、2025年8月に発表されたAHAとACCの「更新された」ガイドラインでは、基準がさらに厳しくなりました。
「正常」: 110/70以下
「高め」: 120/80(血圧薬の対象となる可能性)
「ステージ1高血圧」: 130/80(より積極的な薬物治療の対象)
この新たな基準の引き下げにより、より多くの人々が「高血圧」と診断され、400億ドル規模と言われる降圧薬市場に送り込まれることになります。
医学ではなくマーケティングである理由: 相対リスクと絶対リスク
この新しいガイドラインの根拠は、製薬大手や株主が支援する大規模な連邦資金による研究であるSPRINT研究の結果に基づいています。この研究では、低い血圧目標を使用することで心血管イベントの「相対リスク」が25%減少したとされています。
しかし、ここで重要なのは、この25%の減少が「相対リスク減少」であって、「絶対リスク減少」ではないという点です。相対リスク減少はしばしば誤解を招きますが、実際に介入によって助けられる実際の患者の割合を示すのが絶対リスク減少です。
SPRINT研究における心血管イベントの絶対減少はわずか2%でした。さらに、この研究は特に高リスクの集団を対象としており、心血管イベントのリスクが低いまたは平均的な患者にとっての利益、つまり絶対減少は0%であったと指摘されています。
「低いほど良い」とは限らないリスク
AHAとACCは「血圧が低いほど常に良い」と仮定していますが、一部のプライマリケア医はこれに異議を唱えています。
プライマリケア医のアンディ・ラズリス博士は、「ある時点までくると、血圧をさらに下げると、脳卒中や心臓発作のリスクが増加します」と述べています。また、医師は新しい高血圧目標に患者をどれだけ近づけるかで評価され、これは給与にも影響します。
マサチューセッツ大学医学部のロナルド・アドラー博士も、「血圧を薬で治療するのはリスクの高い介入です」と警告しています。血圧薬は、腎機能障害、めまい、失神、血管浮腫など、多くの副作用を引き起こす可能性があります。新しいガイドラインでは、最初から2種類の薬での治療が推奨されているため、副作用のリスクはさらに高まります。
薬を使わずに最適な血圧を目指す:生活習慣の介入
血圧を正常化するための最も強力な介入は、薬ではなく食事と生活習慣の改善を通じて得られます。
食事の見直し: 砂糖を控え、種子油や加工食品を避け、栄養価の高い動物由来の食品を豊富に含むホールフード(未加工食品)の食事を摂ることが、血圧を正常化します。
ミネラルの優先: 体のナトリウムカリウムポンプシステムに関与するカリウムとマグネシウムの摂取を優先します。
マグネシウム: 1日あたり少なくとも600mgのバイオアベイラブルマグネシウム。
カリウム: 最低4,700mg。
ほとんどの人はこれらの最低量の50%も摂取できていません。未精製のミネラル塩の使用やサプリメントでこれらの重要なミネラルをサポートすることが推奨されます。
ギルバート・ウェルチ教授は、110/70という数字に焦点を当てることは、何百万もの処方箋と費用を伴うだけでなく、医師と患者を「健康にとってより重要だが数字で簡単に測定できない活動—本物の食品、定期的な運動、人生の意味を見つけること—から遠ざけてしまう」と指摘しています。
健康は単なる血圧の数字だけではありません。あなたの最適な健康を追求するために、薬だけに頼らず、根本的な生活習慣の改善に目を向けてみませんか。
0 件のコメント:
コメントを投稿