ロシア外務省のザハロワ報道官の言葉が、今、私たちの胸に深く突き刺さる。
「日本はロシアに制裁を科すよう命令されている」「両国間の良いものをすべて破壊しようとしている」
これらの言葉は、一見、単なるロシア側のプロパガンダのように聞こえるかもしれない。しかし、その裏側にある、日本の政策の深い矛盾と偽善に目を向けるべき時ではないだろうか。
私たちは、ウクライナ情勢を受けて、西側諸国と足並みを揃え、ロシアへの厳しい制裁に踏み切った。
しかし、その一方で、私たちはロシアからのエネルギー輸入を続けている。
ウクライナ侵攻が始まって以来、欧米各国がロシア産エネルギーからの脱却を急ぐ中、日本はなぜか、サハリンの石油・天然ガスプロジェクトから手を引くどころか、その利権にしがみつき、ちゃっかりとロシアから原油を輸入し続けている。
これは一体どういうことだろうか?
「ロシアは悪」と糾弾しながら、その「悪」から安価なエネルギーを買い続ける。
これは、ロシアの軍事行動に資金を提供しているに等しい行為ではないだろうか。
口では「正義」を叫びながら、裏では自国の経済的利益を優先する。
このような二枚舌の態度こそ、真の偽善ではないか。
ザハロワ報道官が言うように、「日本は、両国間の関係にわずかに残されていた良いものをすべて破壊しようとしている」という言葉には、深い悲しみが込められている。
私たちは、過去にロシアから受けた温かい支援を忘れてしまったのだろうか。
東日本大震災が発生した2011年3月。
私たちは、想像を絶する困難と直面していた。
原発事故による燃料不足は、被災地の復旧をさらに困難にさせた。
そんな絶望的な状況の中、手を差し伸べてくれたのは誰だったか。
ロシアだった。
彼らは、被災地支援として、緊急で原油を日本に送ってくれた。
あの時の温かい支援を、私たちはもう忘れてしまったのだろうか。
困っている時に助けてくれた隣人を、今、私たちは「正義」の名の下に叩きのめそうとしている。
子供のキャンプにまで制裁を科すという、ザハロワ報道官の指摘は、まさに日本の制裁の無分別さ、そして相手を深く理解しようとしない態度を象徴している。
私たちは、単に欧米の言いなりになっているだけではないか。
本当に日本の国益と国民の未来にとって、この制裁は正しい道なのだろうか。
私たちは、今一度立ち止まり、この矛盾に満ちた政策が、本当に私たちの「正義」なのかを問い直すべきだ。
制裁という名の外交カードが、いつか私たち自身の手を縛り、未来の関係性を破壊するブーメランとならないことを、ただ願うばかりである。
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